機動戦士Zガンダム第5話「父と子と・・・」(1)

「この中にあった魂が神の国にたどり着くことはないだろう。その向こうには、知的生命体が住む惑星があり、人々はここで子を産み育てることを当たり前の事としすぎていた。」

宇宙を漂うジオン兵の亡骸とナレーションから始まる第5話。
機動戦士ガンダム」の「子を産み育て死んでいった」のナレーションに似ていますが、意味深です。



アレキサンドリア

Zの初期のエピソードはやたら戦艦の中が多いですね。このあたりもZが持つ息苦しさの要因の一つでしょう。
アレキサンドリアではエゥーゴの研究をしています。リックディアスのデータが画面に映し出され、高さ18.7m・重量1080tとの表示、さらに名称も特定されています(モニター上では[RICK-DIOUS])。名称は一度アーガマに派遣されたエマが持ち帰った情報でしょうか。
クルーの制服は紺+黒。

バスクアレキサンドリアボスニア・サチワヌの3隻によるアーガマ追撃を命じ、自らはブルネイグリプスに戻ります。
「少佐はエゥーゴの本当の基地はどこか、それを探れ」
グラナダを叩いてみますか」
「今は正規軍の中にまで浸透しているエゥーゴの中枢神経を抜き出す事だ。もう遠慮するな。任せる」

バスクエゥーゴの規模について把握していない様子です。が、連邦正規軍にエゥーゴのシンパが多数いること、グラナダが特にその傾向があるとは認識しているようです。おそらくこれまでは怪しいとは考えつつ表立って追及できなかったのでしょうが、エゥーゴグリプスと新型ガンダムに手を出してきた以上遠慮することはありません。こうしてエゥーゴティターンズの対立がいよいよ表面化していくのです。


アーガマ

例によって3トップのミーティング。クワトロの提案でMk-2は1機だけ戦線に投入されることになります。
他の2機は解体作業が行われ、投入する機体は初代ガンダムに似た白系統へ塗り直し。この場面でオリジナルの紺+黒のカラーリングはレコアに「ティターンズ・カラー」と表現されています。

フランクリンはもともとエゥーゴにいる気などさらさらなかったのでしょう。機会を見つけると、クワトロのリックディアスを強奪してティターンズへ帰還しようとします。
このあたりの「頭も良く行動力もあるが向こう見ずで想像力に欠ける」行動は、息子のカミーユもしっかり受け継いでしまっている感があります。
ノーマルスーツなしのクワトロは白く塗られたMk-2で追撃。ガンダムに乗るシャア、貴重です。

ここでブレックスがヘンケンに話しかけます。
「知っているかね。赤い彗星と呼ばれた男を」
「自分はア・バオア・クー会戦の時、後方のサラミスにいました。」
「ほう」
「しかしあのジオングというのは見ていません。ですが、何といいますか、赤い彗星の力といったものは感じましたし、今も感じますね」
「誰にだ」
クワトロ・バジーナ大尉にです」
「なるほど。彼はジオン・ダイクンの遺志を我々スペースノイドに伝えようとしている」

TV版Zでは、少なくともクワトロ自身はこの時点でシャアであることを公にはしていません。しかしシャアであることを隠そうともしていません。まあ赤い制服着て赤いMSに乗ってるんですから。そんな彼を見てブレックスもヘンケンもシャアの名前は出さずとも確信を持って接しているようです。


次回に続きます。