機動戦士Zガンダム第5話「父と子と・・・」(2)

●子供の立場

レコアの制止も聞かず出撃しようとするカミーユ
初期のカミーユはまだ精神的に幼く、自分が子供であるとしながらプライドは非常に高いです。
また、レコアに対して「幸せに育った人に自分の気持ちはわからない」と決めつけています。
このあたりが後に改善されるのは、ウォンの修正後にエマに叱咤された事が
大きいのだと思います。


●艦隊戦

アレキサンドリアで自ら指揮をとっていたバスクですが、追撃が長引きそうになり
ブルネイに移動します。
並行する戦艦間の移動はなかなか難しそうです。

エゥーゴのMSの接近でハイザック隊が出撃します。
指揮をとるようなジェリド。他のパイロットはジェリドより階級が低いのでしょう。

一度フランクリンを捉えたクワトロの白Mk2ですが、アレキサンドリアの砲撃で早くも右足を破損。
MSとビームが飛び交う中、フランクリンの頭の中にはベッドに裸の愛人がフラッシュバック。
生々しい描写ですが、男なんて案外大変な時にもしょうもない事を思い出したりするもんです。

バスクのノーマルスーツはなぜかパイロット仕様。
ヘルメットには連邦軍のマーク。
おそらくバスク専用の仕様なのでしょうが、ティターンズマークだとよりしっくりきます。

カミーユはウソをついて片腕の黒Mk-2で出撃。
ていうか止めろよアストナージ。

色ミスのヘンケン。黒ずくめ。

反撃するボスニアあるいはサチワヌ。

モンブランの攻撃で被弾するアレキサンドリア
衝撃でバスクの乗る輸送ユニットが揺れます。
外部に張り付いていた兵がどうなったのか非常に心配です。
レコアはカミーユの出撃を止めず、その指示でアストナージも動きます。
艦長の立場がないぞヘンケン。
ちなみにアレキサンドリアには第2ブリッジがあるらしい。

フランクリンに向けたカミーユの独り言からは、なんとなく母へのコンプレックスが見え隠れします。
小説版のクライマックスではもっとストレートです。
これ以降のアーガマでのカミーユは、父代わりでなく母代わりだけを探しているように思えます。
おそらくそれはレコアだったのでしょうが、しかしそのレコアは自分の本能からティターンズに寝返ってしまうのです。
TV版Zの登場人物たちは皆、基本的に自分の問題事だけで精一杯なのです。


親に銃を向ける!と驚き怒るフランクリン、銃を連射します。
Mk-2への低評価も絡んで暴走気味です。
既にこの時点で救いのない2人。
フランクリンは宇宙の果てに消え、カミーユは怒りをティターンズに向けて叫ぶ。

なんか間抜けなMk-2のひとコマ。


無事移動したバスクがジャマイカンに命じます。
エゥーゴの秘密基地とやらがグラナダにあるなどとは思うな。地球連邦の宇宙軍の半分はエゥーゴだと思え。」

ここでストーリー上ようやくエゥーゴの大体の規模が示唆されます。
ちなみにブルネイの艦長は連邦軍カラー。



アーガマ

アーガマはルナ2を迂回しつつ地球へ。
ところでブリッジにいるこの人は誰?
彼もまた専用色の制服のようです。

休憩室らしきところで会話するクワトロ、レコア、カミーユ
そこへエゥーゴの制服(たぶんレコアの)に身を包んだ保護観察中のエマ。
親への複雑な感情を吐露するカミーユ
言う事を聞かないカミーユにクワトロは(ちなみにこの場面のクワトロは目が変)
シャアの事を持ち出して説得しようとしますが
自分がシャアと明かさず、あくまでも他人の話としてしたために見事に失敗します。
「俗人はついつい自分はこういう人を知っていると言いたくなってしまう、嫌な癖があるのさ」
それでもあくまでクワトロとして卑屈に笑うシャアがなんともカッコ悪い。

前半の会話にも出てきた、かつての戦争の英雄「赤い彗星」。
しかしそんな英雄は自らをさらけ出すこともできず、結果として少年を導くことができない。
少年はやり場のない感情を爆発させて泣きわめくことしかできない。
Zではこうしたコミュニケーションの失敗が繰り返し繰り返し描かれてゆくのです。


なんか凄いカミーユ
画像だけ見ると「俺は今猛烈に感動している!!」とか言ってそうにも見えます。

ここで初めて青+白の制服カミーユが登場します。
もともとアーガマにあった予備(?)の制服でしょうか。
カミーユとクワトロは制服の色が反対です(カミーユの青+白に対してクワトロは赤+黒)。

自らの意思で戦いに身を投じるかつての戦争の英雄と、
成り行きで戦いに身を投じる戦争を知らない少年。
前者は敵を倒せずに意識をもったまま表舞台から身を隠し(逃亡し)、
後者は敵を倒して仲間のいる舞台に帰還しますが、その意識を失います。

カミーユとクワトロはやはり対の存在であるのです。